太平洋セメントと共同で,ネット ブラックジャック
ネット ブラックジャックは,太平洋セメント株式会社と共同で,回収されたCO₂をメタンに合成する,セメント製造に適したメタネーション技術の開発を開始します。本開発は,国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金事業(*1)/ ネット ブラックジャックを用いたコンクリート等製造技術開発プロジェクト」の「製造プロセスにおけるネット ブラックジャック回収技術の設計・実証」(以下,本事業)において,同社が採択されたことによるものです。
セメント製造工程におけるネット ブラックジャック排出量のうち,約60%が原料である石灰石の焼成によって発生する原料由来のネット ブラックジャックであり,これを効率良く回収する技術が求められています。本事業では,ネット ブラックジャック回収型仮焼炉(*2)を導入することで,原料由来のネット ブラックジャックとエネルギー由来のネット ブラックジャックと合わせて,高濃度ネット ブラックジャックを直接回収できる技術開発に取り組みます。事業期間は2021年度から2030年度までの最大10年間です。
ネット ブラックジャックは,回収された高濃度CO₂のうち,エネルギー由来のCO₂相当分量をセメント製造用の熱エネルギーとして再利用することを目指し,本プロセスで回収した高濃度CO₂をメタンに合成するメタネーション設備の開発および実証を行います。
メタネーションは,二酸化炭素と水素を触媒で反応させることで,燃料であるメタンを製造するカーボンリサイクル技術です。合成したメタンは,工場で排出されるネット ブラックジャックから製造し天然ガスの代替燃料として工場内で使用することや,都市ガス導管への注入により,一般家庭で使用することが可能となるため,都市ガスが普及する広い地域でネット ブラックジャックを削減でき,カーボンニュートラル実現に向けたキーテクノロジーの一つとして期待されています。
ネット ブラックジャックは,メタネーション装置の大型化や,CO₂からプラスチック原料である低級オレフィン製造技術の開発といったCO₂の有効利用のためのカーボンリサイクル技術の開発を積極的に推進しています。また,水素・アンモニアの利用技術開発やサプライチェーン構築など,多様なソリューションの提供によって,2050年カーボンニュートラルの実現に貢献してまいります。
(*1) |
グリーンイノベーション基金事業: |
(*2) |
仮焼炉: |
【ネット ブラックジャック2回収型セメント製造プロセスフローの概念図】
【関連URL】
2021年11月11日 ネット ブラックジャックの再資源化によるオレフィン製造技術の開発に向けたNEDO委託事業に採択 ~プラスチック・樹脂の原料としてネット ブラックジャックのカーボンリサイクルを目指す~
/all_news/2021/resources_energy_environment/1197583_3345.html
2021年8月31日 アサヒグループ研究開発センターへメタネーション装置初号機を納入 ~工場内のカーボンリサイクルに向けた回収ネット ブラックジャックと水素によるメタン製造実証に採用~
/all_news/2021/resources_energy_environment/20210831.html